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株式会社ローソン『LAWSONマチの本屋さん』

  • 2025年9月10日
  • 読了時間: 5分

コンビニと書店の融合で相乗効果!ローソンが仕掛ける新しい店づくり


愛媛県内子五十崎インター店。

マチの本屋さんのロゴが店名のすぐ横に入っているため、本屋併設だと認識しやすい。


「”みんなと暮らすマチ”を幸せにする」ことを企業理念に掲げ、国内外で2万店以上を展開する大手コンビニエンスストア・ローソン。書店併設型の店舗『LAWSONマチの本屋さん』の出店を始めたのは2021年のことだ。以降4年間、書店の少ないエリアに狙いを定め、慎重に店舗拡充を続けてきた。商品も書籍も購入できる新しい形のコンビニ店舗として、地域の期待を集める一方で、既存店舗では見られなかった効果も出始めている。詳細を担当の日下部 昇平氏に伺った。



KEY POINT

1.書店のない、または少ないエリアに出店することで利用者の購買頻度を上げる

2.地域に密着した棚作りや選書で、住民が来店しやすい環境を整える

3.書籍・コンビニ商品を同時に買い上げられるよう、陳列や品ぞろえにも注意する



書店ゼロのエリアに挑む書店併設型コンビニエンスストア


 『LAWSONマチの本屋さん』は、現在12県で16店舗を展開中だ。埼玉、神奈川、茨城などの首都圏をはじめ、東北や北陸、中部、近畿、四国など幅広いエリアに出店している。

 これらの店舗に共通しているのが、地域内に書店ゼロ、もしくは書店数が少ないという点だ。一般社団法人 日本出版インフラセンター によると、ここ10年間で国内の書店数は約3割も減少した。書店が一軒もない自治体も多い 。こうした現状のなか、ローソンはマチに「本屋さん」を復活させ、書店を必要とする消費者に役立てようと書店併設型店舗の投入を進めてきた。


 「書店が少ないエリアという条件以外にも、店舗内に20~25坪ほどの書店スペースを確保できるかどうかも見ています」と説明するのは、同ブランドの運営を手掛ける株式会社ローソン エンタテインメントカンパニー マーチャンダイザー の日下部昇平氏だ。

 ローソンの店舗は平均50~60坪程度の広さで作ることが多いが、そこに20~25坪のスペースを加え、全体の3分の1程度のスペースを「書店エリア」にあてることを目標にしている。残りのスペースは、食品や飲料、コスメや雑貨などを置いた、通常のコンビニだ。


新刊、雑誌、コミックなど充実した書店エリア


  「書店エリア」で扱うタイトルは、常時5,000~7,000点ほど。書店としては小規模ながらも 、雑誌や小説、ビジネス本や実用書、児童書など様々なジャンルを取りそろえており、どの年代の利用者でも自分の興味に合わせた本を見つけることができる。

  「実際20坪の書店経営のみだと厳しいのですが、コンビニエンスストアが併設されることで地方での出店も可能になりました。同時に、書店が不足しているエリアでも本を手に取ってもらえる書店体験が提供できるのではと考えました」(日下部さん)

 


地域性を活かした店舗作りで集客を図る


 そもそも「ローソン×本屋」のきっかけは、2016年 から株式会社スリーエフと協業して始めた「ローソン・スリーエフ」ブランドの店舗にまでさかのぼる。長年にわたり、書店併設型店舗の経験を持つスリーエフからノウハウを受け継ぎ、地域書店に連携する形で店作りおよび運営を行ってきた。

 2021年から始まった『LAWSONマチの本屋さん』でもその知見が活かされている。例えば、コンビニ利用者向けの選書や商品配置が良い例だ。「来店者のボリュームゾーンは50~60代の男性なので、その方たちに人気の車雑誌などを豊富に扱っています。また、年配の女性がパズル誌を購入してくださるケースも多いのですが、健康に気遣う方が多いためか、乳酸飲料を一緒に買われることがよくあるのです。そこで、飲料の品揃えなどにも注意を払うようにしています」(日下部さん)


コンビニの陳列棚で商品を選ぶついでに本も目にとまりやすいレイアウトになっている


 書店併設型店舗として、こうした貴重なノウハウが息づく取り組みだが、特筆すべきは店舗によって地域に根差した棚作りを実践していることだ。

 11店舗目の開店となった「ローソン立山町役場店」(富山県)では、「たてやまの本棚」という地域に特化したスペースを設けている。「まずは町長、副町長、そして博物館長といったバトンリレーのような流れで、それぞれがお勧めする図書を紹介するコーナーを用意しました。2か月に一度のサイクルで中身を入れ替えており、先日は地元の雄山高校の図書委員が推薦してくれた書籍も並びました」と日下部さんは語る。

 身近な人が協力していることもあり、立山町役場店では食品を買うついでに、書店エリアに立ち寄る人も多いという 。「こうした試みが、売上げにつながっているケースはあると思います」と、地域の独自性を活かした店舗作りに日下部さんも効果を実感している。 



書店併設がもたらした女性客増加


 さらに既存のコンビニ店舗と比べて変化があったのは、書店エリアが併設されたことで女性利用者が増えたことだ。母親が買い物ついでに子供を連れて来たり、土日はファミリーで利用する姿も見られるようになった。車を運転して遠方の書店まで行かなくても、自転車で手軽に本を買いに行けることが、利用者に重宝されているようだ。「児童書があるので助かる」「一般書店のように新刊の注文や定期購読などができるので便利になった」と、利用者も書店での体験を存分に楽しんでいる様子が伺える。

 

 こうした従来のコンビニ利用者層とは異なる点を活かして、たとえば向ヶ丘遊園南店(神奈川県)では近隣の大学生と協力して、イートインスペースで読み聞かせイベントにも挑戦。コンビニエンスストアの枠を超えた、利用者とのパイプ作りに積極的に取り組んできた。


 来年以降も『LAWSONマチの本屋さん』では、候補エリアをリサーチしつつ、新規店舗を着実に増やしていく予定だ。「出店を検討いただいている中には、書店併設型店舗ならば出店してみたいという方もおり、注目が集まっているように思います」(日下部さん)

衰退の止まらない書店に、どこまで歯止めをかけられるのか。同社の次の一手に期待がかかる。


<お話を伺った方>

株式会社ローソンエンタテインメントカンパニー

マーチャンダイザー

日下部 昇平 氏

公式サイトはこちら




 
 
 

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