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キーワードは「小さな安全圏」。35年の研究で見えた、顧客の「見えない壁」を突破するカギ

  • 3月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:3月10日

女性インサイトセミナー2026開催レポート


2026年2月18日に「女性インサイトセミナー2026」を開催しました。本セミナーでは、女性消費者と向き合ってきた35年間の研究からひも解いた、「なぜ売れない?」の理由を発表。独自分析による世帯状態別女性交点クラスターから、売れない理由=見えない壁とは何かを解説しました。商品開発や販促に活かせる当日のセミナー内容をレポート形式でお届けします。



講師・解説者

株式会社ハー・ストーリィ

代表取締役 日野 佳恵子


女性インサイトラボ所長

加藤沙貴子



1. 「なぜ売れない?」の正体は、年々厚くなる3つの

「潜在的な見えない壁」

「なぜ売れないのか?」という問いに対し、35年の研究が導き出した最も大きな理由は、女性顧客側に存在する「潜在的な見えない壁」を企業が突破できていないことです。この「壁」は年々厚く、高くなっているため、顧客の購買行動に強く影響が起きています。



  • 1.情報の壁 30年で情報量が6万倍に急増する中、顧客は「安全が保証された情報」以外は壁の内側に入れたくないという心理を強めています。

  • 2.選択の壁 顧客は情報を「広く浅く」探すのをやめ、信頼できる人やAIなどの情報に基づく「狭く深く」安心できる場での判断を求めています。

  • 3.顧客分析の壁 顧客=N1(個人)としてのみ捉える従来の手法では、周囲との関係性が複雑に絡む現代の意思決定基準を正確に掴めなくなっています。


2. 2026年女性インサイトキーワード

『小さな安全圏の暮らし』

外部リスクから身を守ろうとする女性たちは、半径の小さい信頼できる関係性、すなわち「小さな安全圏」での暮らしを求めています。



  • 防衛のインサイト デジタル疲れから解放される時間を求め、「ハンドメイド」や「スピ活」など、自分の手を動かし、心身を休ませる防衛行動を強化しています。

  • 「指示しない時間」の追求 常にスマホやAIへ適切な指示を出し続ける「プロデューサー的日常」に疲弊し、あえて指示や操作をしなくていい環境(上げ膳据え膳の状態)を欲しています。

  • 家族という安全圏 7割近い女性が家族・親族と近居・隣居し、3人に1人が共通の趣味を持つなど、最も信頼できる「家族」との繋がりが購買の鍵となっています。



3. 「見えない壁」を突破する4つの要因

顧客の「小さな安全圏」の内側に入り込むためには、表面的な属性データだけでなく、以下の4つの要因から多角的に解像度を上げる必要があります。



  • 生物学的要因 女性が重視する「感情」や「体験」が購買を後押しすることを理解する。

  • 社会学的要因 世帯消費の約7割に影響力を持つ女性の、家族構成や生活背景を捉える。

  • 交差的要因 「ライフコース(人生コース)×ライフステージ(年代)」の交点から、一人ひとりのリアルな生活動態を分析する。

  • 外部環境要因 物価や災害、AIとの共生など、彼女らを取り巻く最新の社会トレンドを反映させる。


まとめ:顧客=N1の時代は終わり。

これからは「個人属性」ではなく「世帯状態」で読み解く

売れない理由は、属性や購買履歴という「外側のデータ」のみを読み、壁の内側にある家族関係や生活背景、将来不安といった「内側の環境」を見ていないことにあります 。顧客を単なる個人(N1)として捉える時代は終わりました。彼女たちが大切にする「小さな安全圏」を世帯状態で捉え、ブランドが「生活の伴走者」として寄り添うこと。この視点の転換こそが、2026年に選ばれ続けるための新たなカギとなります。



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